【CG】Google画像検索だけを頼りに安藤忠雄氏設計の小篠邸をCGで再現する【UE4。BSPブラシのみ】

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 今までいくつかUE4で好き勝手に建物を作っては紹介してきましたが、今回は実在する建物の再現を試みたいと思います。
 第1回は、安藤さんの初期の名作のひとつであろう小篠邸の再現に挑んでみます。

動画版

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【DL】安藤忠雄氏設計の小篠邸をだいたい再現【UE4ArchViz】

はじめに:行ったことないんですが

 というか、チャレンジする前にそもそも大問題を抱えているわけです。私は小篠邸におじゃましたことがありません。行きたいなとは思い続けているのですが機会を逃し続けているだけなんです。
 安藤忠雄展や模型展などの展示会で見たリビングらしき部屋と上空のからの写真、模型くらいしか見たことがなくて、建物の全容がほとんどつかめていません。

 そこで頼りとするのがGoogleさんの画像検索です。もあや展示会の記憶など頭からすっ飛んでいるので、もう画像検索だけが頼り…という状況からCGで再現したいと思います。

 基本的に個人邸宅や個人の住宅は撮影もしないしこういったこともしない主義ではありますが、今はKHギャラリー芦屋として公開されているのでこれはちょっと自分の中では別扱いです。

CG再現に使用するアプリ

 もちろんUE4にお世話になります。ずいぶん使い慣れてきましたし、きれいに出るし。
 今回も『BSPブラシ』というUE4エディタ内の基本図形のみで造っていくという、ストロングスタイルで望みます!


情報収集

 ということでググるしかない。さっそく結果を表示してみると、いやあ出るわ出るわ、さすが名作。というかすでにCGで造った方の作品も結構出ます。実際にギャラリーに行った方が撮影した画像なんかも出ますね。この画像からは各部位がどのような素材を使用しているかがわかります。あとは質感というか。マテリアルの制作に大いに役に立ちます。と言ってもどうせコンクリなんだけどね。 
 
 あとは平面図、立面図、敷地図さえあれば楽勝コースなんですが…と思っていたら平面図はやはりありました。うわあ、アール(曲線の壁)あるのか、やばい。BSPブラシでできるのかなとちょっと心配になってきました。
 立面図と敷地図がどうしても見つからなくて断念。ちょっとまずいかも。敷地はまあ上空写真でどうにかなるさ。



制作

 UE4でガリガリ造ります。BSPブラシって結構使えて、足したり引いたりはもちろん、頂点の編集などができるので、建築系に限定されると思いますが頑張ろうと思えば結構どうにでもなります。ソフトの慣れによると思いますが、変に3DSMAXとかで造ってUE4連携するよりも、こういった遊び感覚であればUE4で一旦造っちゃって→MAX連携していろいろ細かいところを仕上げて→UE4再連携みたいなプロセスの方がよかったりする気がする。個人的には。
 なんかMAXっていじりだすと仕事感が出ちゃってあんまテンション上がらないというか、ね。気分の問題か?

本館

 まあ図面通りに造る作業的な要素が強いので、直線的な2棟の構築だけで1時間もかかりません。窓のための開口もBSPブラシだと結構サクサク造れるから気持ちいい。

 ここでちょっと手抜き。来客用の別棟(?)らしき建物は外観だけ再現しました。内観はなしで許してください。でも外壁から見える階段付近のスリットだけは再現やりました。

 中庭っぽいところと階段も粛々とBSPブラシで造る。ほぼコピペ出いけるので楽。テクスチャのリピートが気になるので、ちょっとずつずらしておくと自然に仕上がる。

■疑問■
 ひとつ疑問が残るのは、1Fダイニングキッチンみたいな部屋の段差。初代の設計図だと3段(60cm)ほど下がっているのですが、Google画像検索の写真だとどれもリビングとフラットです。これどっちが正解なんだろう? 今はフラット?


アール壁どうするのよ

 問題は3つ目の大小2つのアールが特徴的な棟がちょっと難題。これを解決するには2つのBSPブラシが必要です。

 まずは、外壁に相当する円柱を用意します。半径800cmの円柱でおおよそ一致するのでこの大きさで決定。面はソリッドにしておきます。

 次に、削り取る面を用意します。上で造ったBSPブラシをコピーして、半径を780cmにします。Subtract(引く)にします。すると刑務所みたいな厚さ20cmの円形の壁が登場します。

 更に図面通りの形状にするためにキューブのBSPブラシを追加で配置してSubtractにします。この3つの図形でやっとアール壁が再現できました。使用した3つのBSPブラシを複数選択してスタティックメッシュに変換します。

 BSPブラシからスタティックメッシュに変換すると、ライトマップは自動作成してくれますが、ライトマップの解像度とかチャネルが適当なので、良い感じの値に変更する作業が必須です。
 あと何故かコリジョンも一番レンダリング負荷が高い設定にしないとちゃんと判定してくれない(?)っぽいので、コリジョンの設定も変えます。

敷地を造るに続く。

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4 thoughts on “【CG】Google画像検索だけを頼りに安藤忠雄氏設計の小篠邸をCGで再現する【UE4。BSPブラシのみ】

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