【CG】もっと畳のマテリアル表現をアップするための2つの試み

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マテリアル編集って中毒性が高いもんで、仕事以外で好き勝手に作っているものに関してはいつまでもいじってしまうんですよね。
前回は畳の表現をアップしてみましたが、もっと良くなるんじゃないかといつもの悪い癖が出てしまい いてもたってもいられなくなりましたので続きをやります。まだまだイケるはず!

ちなみにタイトルの違いは、いわゆる『あぶない刑事』方式です。

その1:テクスチャを改善する

 けっこうなそもそも論ですが、まず今使っているテクスチャがショボいのではという説にたどり着きました。畳って非常に単純なリピートから成る素材ですから128x128pxくらいでいいんじゃね? 的なノリで今までやっていたのですが、その考え方に対する異論を自分に投げかけてみました。
 ということで家の畳を撮影してテクスチャ化をまずはやってみます。畳と縁の2つを撮影して必要な画像部分を抽出します。2048x2048pxです。贅沢にも程がある…そんないらねーか?(笑) そしてブループリントでマテリアルを作りました。

畳本体のテクスチャです。

アルベドマップ。ノーマルマップ。
 

汚れのマップ。(ステインマップ。)

できました。まあこんなもんでしょうか。で、アルベドに対するラフネスマップとノーマルマップの2つを元画像からPhotoshopを使って生成します。ラフネスマップは割と適当ですけど。
ノーマルマップは、運良くこの畳の画像だと輪郭を抽出しやすかったので輪郭抽出してから、輪郭を少し太くして、そんでぼかしを入れてみて→NormalMapを起こしてみたものです。
あと汚れ表現のレイヤーも作ってみました。Photoshopのフィルタ→雲模様です。

これでUE4のマテリアルエディタを使ってノードを組んでみましょう。まあ前回と大差はないですが、こんな感じで作ってみました。

畳縁のテクスチャです。畳縁って縫い物ですから凹凸がありまして、凸の箇所だけテカテカするように意図しています。
アルベドマップ。ラフネフマップ。
 

ブループリント自体はシンプルです。

この時点での成果を見てみましょうか。

左:前回の畳。右:今回のその1の畳。

うわあ、全然良くなりました。やっぱテクスチャのメモリをケチっちゃだめだったかな。状況によりますが。

ところでところで

でも、畳って実際は凹凸があるわけで、「ノーマルマップではなくてParallax Occlusion Mappingでやったらもっと良くなるのかな?」と思ってしまい、やってみないと気がすまなくなったのでやってみました。
もうここまで来るとい草に対する異常性欲者みたいな感じで気持ち悪いかも(?)しれませんが、もうちょっとお付き合いください。

その2:Parallax Occlusion Mappingで作ってみる

ということでやってみましょう。前回作ったノーマルマップの輪郭抽出しただけの画像を元に作ります。畳は解像感が良ければい草とい草の境目が黒くなっている点と、先日作成したラフネスマップをちょっと改造した画像を重ね合わせてみたところ、個人的に意図したハイトマップに近づきました。これでいきます。

ハイトマップ。

あとはUE4に戻ってマテリアルエディタで作ってみましょう。ブループリントはこんな感じ。

さてどんな塩梅になるでしょうか・・・。
Tatami mat in Japanese Engawa (縁側と紅葉)

お! 立体感が出た…か!? いや、もう気持ちの問題か? 自己満足か? なんだこの世界感は。興奮してきました。
実際に家に適用してみるとどのくらい違いが出るでしょうか。

左:今回のその1の畳。右:その2の畳

はい。ほぼ変わりませんでした。ローアングルになると違いが出ますが(特に画像左下。)、仮にVRコンテンツで実装するとなれば真上から見る場面しかないでしょうから、ここまでやる必要はないでしょうね。

おわりに

とにかく、テクスチャの品質が第一であることは理解できました。やっぱり「畳みたいな柄モノは極限のリピートだけ切り取ったテクスチャでいいや」っていう発想は、ちょっと違うのかも。
Parallaxはどう考えればいいのだろうか。実験としては品質が良くなったのですが、ビジュアライゼーションでここまで近くで見るかと言われるとNOなので、使い所かもしれません。

ダウンロード

こちらに公開しております。

【ダウンロード】畳本体【マテリアル】

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