【地図】世界遺産から丹下・村野、安藤・黒川建築と古近現が顔を並べる姫路市建築マップ
シリーズ6回目。特に意識してないのですがだいたい年に1回ペースで紹介しています。長期休暇とリンクしているからかもしれません。
さて今回は姫路市内のおじゃました建物を紹介したいと思います。姫路城のイメージが当然強いでしょうが、いろいろと揃っているんですよ。
世界遺産の姫路城から安藤忠雄氏や黒川紀章氏の作品が複数、近代建築の美しい図書館から現代建築までオールジャンルパックみたいな感じでいくら見ても飽きが来ずに散策してお腹いっぱいになれるような気分です。
ありがたいことに紹介する全ての建物へ行くにもバスがちゃんとあり、街中には観光バスやレンタサイクル『姫ちゃり』が非常によく整備されているので1日でたくさん巡ることも可能。登録方法も都内のコミュニティサイクルと似ていて簡単でした。交通関係で困らないという点はかなりのプラスポイントです。
ちなみに駅前の観光案内所にも建築マップのA4サイズのパンフレットがあるので、自治体としても建築はアピールポイントとして認知しておられるご様子。嬉しい。このような土地では建築目当ての観光者が受け入れられやすい雰囲気が整っていることが多いので、どことなく気が楽だったりします。
ちなみにパンフレットですがさっき探したら紛失していました。取っておいたはずなんですが。
姫路まちなか建築めぐり – 姫路観光コンベンションビューロー魅力発掘ワーキングチーム
https://himeji-kanko.jp/content/863
建物マップモデルコース
市街、西南北の4エリアに分けて掲載しました。
市街
姫路駅北口/WAO渡邉篤志建築設計事務所
Himeji Station north exit (姫路駅北口). Architect : WAO (設計:WAO渡邉篤志建築設計事務所). Contractor : Tobishima (施工:飛島建設、大林組). Completed : 2014 (竣工:2014年).
そうです建築の旅は駅についた瞬間から始まっているのです! と言ってもリニューアルされたのは駅の北口と北口広場ですが、明るく開放的、段差も少なく整備されていて。人の往来が多い割にスムーズで、人もよく集まっていて再開発がすごく上手く行ったんだなあと感じざるを得ません。あと見晴台みたいなところからはもちろん姫路城が見えます。
姫路城
Himeji Castle (姫路城). Establishment : 1346 (築城:1346年).
誰もが知る世界遺産の城。天気のいい日に行くとそれはもう白壁が特に美しい。
姫路文学館/安藤忠雄建築研究所
Himeji City Museum of Literature (姫路文学館). Architect : Tadao Ando (設計:安藤忠雄建築研究所). Contractor : (施工:). Completed : 1991 (竣工:1991年).
安藤さん設計の博物館。内部の撮影は出来ませんがコンパクトな敷地に他の作品で見られる意匠がいくつも凝縮されているので散策に時間をいっぱい費やしてしまいます。
シロトピア記念公園休憩所 扇観亭/黒川紀章建築都市設計事務所
Senkantei (扇観亭). Architect : Kisho Kurokawa architect & associates (設計:黒川紀章建築都市設計事務所). Contractor : (施工:). Completed : 1993 (竣工:1993年).
紳士淑女のご年齢の方であれば昔ニュースでよく取り沙汰された『2億円トイレ』がこれ。
経年というのもあるでしょうが、メンテがよろしくないのか、老朽化が激しくトイレ内の臭いもちょっときつい。人もまったくおらずなんかここだけ異様な空気でした。
アルモニーアッシュ/TAO THONG VILLA+PROCESS5 DESIGN
Harmonie H At State Himeji Bank (アルモニーアッシュ アットステイトヒメジバンク). Architect : TAO THONG VILLA + PROCESS5 DESIGN (設計:タオトンヴィラ+プロセスファイブデザイン). Contractor : Kajita Komuten (施工:鍛治田工務店?). Completed : 2011 (竣工:2011年). Establishment : 1959 (創業:1959年).
例の観光案内所で入手した建築マップにて紹介されていた建物。名前の通り元々は銀行だった建物を結婚式場へリノベーションしたもの。
ヤマトヤシキ/村野藤吾
Yamatoyashiki Himeji (ヤマトヤシキ姫路). Architect : Togo Murano (設計:村野藤吾/村野・森建築事務所). Contractor : (施工:). Completed : 1951 (竣工:1951年).
老舗デパートで去年に閉店してしまいました。私がおじゃました1か月ほど前に閉店とのことでニアミス。
近代建築らしいディテールまで美しかったのが印象的。
姫路市保健所/黒川紀章
Health Center, Himeji City (姫路市中央保健センター). Architect : Kisho Kurokawa architect & associates (設計:黒川紀章建築都市設計事務所). Contractor : (施工:). Completed : 1994 (竣工:1994年).
街中に建つビル。自転車とかを使わないとちょっと遠いかも。同氏による福岡銀行と作風が似ている気がしました。
姫路市立美術館/宮本平治・井田熊吉
Himeji City Museum of Art (姫路市立美術館). Architect : Heiji Miyamoto, Kumakichi Ida (設計:宮本平治・井田熊吉). Constructor : Kajima Corporation (施工:鹿島建設). Completed : 1983 (竣工:1983年). Established : 1905 (創建:1905年).
1905年に陸軍省技官の宮本平治・井田熊吉の設計により姫路陸軍兵器支の西倉庫として建てられ、1916年被服倉庫が増築されたもの。戦後に美術館として改修という歴史があります。
兵庫県立歴史博物館/丹下健三
Hyogo Prefectural Museum of History (兵庫県立歴史博物館). Architect : Kenzo Tange | Tange Associates (設計:丹下健三|丹下都市建築設計). Constructor : (施工:). Completed : 1982 (竣工:1982年).
なんとなく撮っておいただけでしたが後から丹下さんだと知りました。見た目は白で統一されていて、おとなしめなデザイン。
姫路市立城内図書館/久米設計
Himeji City Library (姫路市立城内図書館). Architect : Kume Sekkei (設計:久米設計). Constructor : (施工:). Completed : 1990 (竣工:1990年).
藻がすごいのは仕方がないにしても、水面と線のようなデザインが印象的。
市の西側
西側には安藤建築が2つ隣接します。
兵庫県立こどもの館/安藤忠雄建築研究所
Children's Museum, Hyogo (兵庫県立こどもの館). Architect : Tadao Ando (設計:安藤忠雄建築研究所). Contractor : Kajima Corporation (施工:鹿島建設、竹中工務店、立建設JV). Completed : July 1989(竣工:1989年7月).
周囲の山々と水の調和が素晴らしい建物。本館はまさに迷路で何階のどのあたりにいるのかわからなくなる。屋外の美術作品の展示も多く見ごたえもあります。
星の子館/安藤忠雄建築研究所
Hoshinoko Yakata (星の子館). Architect : Tadao Ando (設計:安藤忠雄建築研究所). Completed : 1992 (竣工:1992年).
「安藤忠雄さん設計のホテルのうち最も安く泊まれる」という触れ込みでよく紹介される建物。屋上で天体観測もできるので親子連れでどうぞ。宿泊外の者でも内部の見学は可能。
姫路科学館/東畑建築事務所
Himeji City Science Museum (姫路科学館 アトムの館). Architect : Tohata Architects & Engineers (設計:東畑建築事務所). Constructor : (施工:). Completed : 1993 (竣工:1993年).
星の子館と道路を挟んだ向かい側に建っています。色使いがバブル後期を醸し出しています。
市の北側
姫路市書写の里・美術工芸館/宮脇檀建築研究室
Shosha Art & Craft Museum (姫路市書写の里・美術工芸館). Architect : Masumi Miyawaki (設計:宮脇檀建築研究室). Constructor : Taisei Corporation (施工:大成建設、大谷建設JV). Completed : 17 March 1994 (竣工:1994年3月17日).
清水公照氏の作品やコレクションが主の博物館。手入れされた竹林の道と和の伝統建築の見た目が記憶に残ります。この建物が個人的に気に入っています。雰囲気といい。私が行ったときは工事中で1Fの展示室の一部だけ見学可能でした。
参考サイト
・Galleryにある各建築写真のReferenced
・姫路まちなか建築めぐり – 姫路観光コンベンションビューロー魅力発掘ワーキングチーム