【CG】エキスパンドメタルのテクスチャ制作リベンジ。メッシュを起こしてノーマルマップ、ハイトマップをベイクする【Blender】
タイトルのとおりですが、一旦メッシュを形成してからノーマルやディスプレイスメントマップをベイクして作る方法を実践してみたいと思っていたのですが、やる対象がなかったこともあり作り方も忘れてしまうほど時間も経ちかけていたその時、やっと作りたいターゲットが見つかりました。
過去に作ったエキスパンドメタルです。
本当に個人でCGいじりだした初期の頃に作ったテクスチャなので、出来が悪い、悪すぎる。今どきの小学生でも作れるレベルです。
ということでこの期にBlenderで一旦エキスパンドメタルのメッシュをハイポリゴンで起こしてから、ベイクする作業をやってみます。
やってみよう
最初に言ったとおりで、手順としては、まず精細なメッシュをつくり、次にベイクという作業をします。
ちなみに今回作成するエキスパンドメタルですが、以下サイトのサイズを参考にしています。
Photo from 【個数:1個】 鉄エキスパンドメタル OKUTANI XS−42
1.メッシュ制作
最初にCubeを配置して、10回くらい細分化(SubDiv)しました。
このメッシュ自体は最終的には使い捨てのものですから細かいほど良いです。あとはハードウェアとのご相談で。
ちなみに私は最終的には200万ポリゴンになっていました。
その次に画面中央下に[プロポーショナル編集モード]というプルダウン付きのボタンが1つありまして、[接続あり]を選んで、中央付近を選択して上に移動します。すると全部くっついてきます。
形状に一番影響を与えるのは[プロポーショナル編集の影響減衰タイプ]という項目で、私は「スムーズ」にしました。
次にツールの下に色々出てきますので値を変えて調整するとガウス関数みたいな形状になります。(たしか記憶の範囲でですが、本当の手順はこうじゃなかったと思います。。。)
いい感じにカーブできたらCubeを[配列複製]しますと、いっぱい同じ形状が作れます。
さて、もう1対必要ですね。ということでCubeを[複写]して、Cube.001を生成しまして、Z軸で180度[回転]します。
CubeとCube.001の2つを移動して、あたかも最初からくっついているメッシュであるかのような見た目に調整します。
また[配列複製]したときに、X軸方向、Y軸方向ビューから平行投影で見たときに、きっちり水平方向のみにリピートされるよう角度を調整します。
なんと言ってよいかよくわからないので図を載せるとこんな感じ。
あとはお察しの通りで、X方向にも複写するとエキスパンドメタルの完成です。
真横から見るとこんな感じ。重なっている部分は1枚に繋がっているかのようになるまで微調整しましょう。ここでの微妙なズレが、成果物のテクスチャの質にも影響します。
Cyclesレンダーで光沢シェーダーのマテリアルを割り当ててみたところです。メッシュ作成はこれで終わり。
2.ベイクの準備
新しくPlaneを1つ作成します。
これを上から見下ろしたときにメッシュの下に来るようにします。高さZがCubeより低い値になるようにします。
これからの作業は特に順序が大切なので、前後しないようにしてください。
[UV/画像エディター]ビューを開いておきます。
Planeを選択し[編集モード]にします。
[UV/画像エディター]ビューでテクスチャを[新規]で作成します。4096x4096pxにしてみました。
[メッシュ]→[UV展開]→[展開]を選択。PlaneにUVマップが割り当たります。
一応[編集モード]→[オブジェクトモード]に戻す。
これから作るのはノーマルマップ、ハイトマップ、アンビエントオクルージョンマップ、アルファマスクの4つです。
アルベドやラフネスはSubstance Designerでやろうと思います。
3.ベイク
・ノーマルマップ
まずはノーマルから作ってみます。
メッシュを選択する順番に依存するので注意します。
Shiftキーを押しながら、Cube、Cube.001、Planeの順に選択してから、
[レンダー]ビューを開き、[ベイク]項目を開きます。
[ベイクタイプ]は「ノーマルマップ」を選択。
[法線空間]は「タンジェント」。(既定値)
[選択→アクティブ]チェックボックスをON。
[ベイク]ボタンを押します。
うまく出来たら画像を保存[F3]します。
・アンビエントオクルージョンマップ
すごく時間がかかります。
[ベイクタイプ]は「アンビエントオクルージョン(AO)」を選択。
[ベイク]ボタンを押します。
・ハイトマップ
ディスプレースメントマップです。これも同じ手順でやります。
[ベイクタイプ]は「ディスプレイスメント」。
[正規化]はチェックボックスをON。
[選択→アクティブ]チェックボックスをON。
[ベイク]ボタンを押します。
うまく出来たら画像を保存[F3]します。
・アルファマップ
単純にやろうとすると上手く出来ませんので(=透過箇所がないため全部白になります。)、私は、
エキスパンドメタルメッシュ(Cube、Cube.001)のマテリアルのスペキュラ色を「白」にして、
Planeメッシュのマテリアルのスペキュラ色を「黒」にする。
という方法で対処しました。
[ベイクタイプ]は「スペキュラー色」。
[ベイク]ボタンを押します。
うまく出来たら画像を保存[F3]します。
Substance Designerで確認する
出来たマップをテストしてみましょう。Substance Designerを開き、以下のようにノード接続してみました。
現実的にありませんが、ちょいちょい錆びている感じにしました。
割といい感じには出ているみたいです。
完成
Substance Designerで各種テクスチャをエクスポートして、UE4で表示したところです。