【建築探訪】竜王駅/安藤忠雄建築研究所
県の特産物でもある『水晶』や『信玄堤の聖牛』をイメージした三角形や円形の切込みが入った巨大な屋根が印象的な竜王駅におじゃま。
甲斐市は平成の大合併によって竜王町・敷島町・双葉町の3町が甲斐市として生まれ変わった都市です。合併後の整備事業の中核としてこの竜王駅の階層が位置づけられていました。もともとはJR中央線によって南北が分断され不便だったそうですが解消されて利便性は向上したようです。まあそのくらいはやって当然でしょうが、安藤氏はそこに繋ぎ合わせることに合併と旧3町・県の特産であるモチーフを形として大屋根とその形をした穴で表現しているそうです。
信玄堤の聖牛
Photo by 甲斐市
市にふさわしい駅
合併により市として格上げしたことにより、交通インフラもそれなりの機能を持たせる必要があります。資料によると、
・ラッシュ時の渋滞解消を目指して歩道を設置したり幹線道路の接続などを実施。またロータリーやバスなどの公共交通機関の充実が図られています。
・バリアフリー化。また夜間の歩行者向けにライトを設置して安全さを向上しました。
・3町の頃は屋根が1か所しかないために利用者は雨をしのぐことも難しかったそうですが、巨大な屋根により守られるようになり、また夏・冬も快適に過ごせる待合室の設置により快適に過ごせるようになりました。
と、巨大都市では当たり前と思われる当たり前の機能が確実に実装されました。
シンボルツリーへの思い
シンボルツリーとして南口はけやきを、北口はクスノキが植えられています。特に南口は1本の木が印象的なロータリーにデザインされています。どちらも高木で空にまっすぐ伸びていることより、市のの繁栄と、子どもたちの成長と健康へのの願いが込められているそうです。また竜王駅周辺は、甲斐市緑の基本計画を基に『花と緑の拠点』と位置づけているそうで、樹木や花壇をより多く配置しているとのこと。他の駅と比べると量的には標準的かと思われますが。
竜王駅は各駅しか停まりませんが市の中核事業というだけあってかなり気合い入れたみたいです。あの規模と設備で25億円はめちゃくちゃいい値段かと。
A big hole and a zelkova wood at the station plaza.
ギャラリー
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建物概要
Ryuo Station (竜王駅 南口駅前広場).
Architect : Tadao Ando (設計:安藤忠雄建築研究所).
Contractor : Shimizu Corporation (施工:清水建設).
Completed : March 2010 (竣工:2010年3月).
Structured : Steel frames (構造:S造).
Costs : $25.6 million (総工費:約25.6億円).
Use : Plaza (用途:広場).
Height : 34 ft (高さ:10.5m).
Floor : 1 (階数:地上1階).
Floor area : sq.ft. (延床面積:㎡).
Building area : 36,597 sq.ft. (建築面積:3,400㎡).
Site area : 54,680 sq.ft. (敷地面積:5,080㎡).
Location : Ryuo Shin-Machi, Kai City, Yamanashi, Japan (所在地:日本国山梨県甲斐市竜王新町).
使用機材
Nikon D600
Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
Adobe Photoshop
Adobe Photoshop Lightroom
参考サイト
・新建築 2010年5月号 – 新建築Online
・竜王駅南北駅前広場 – 甲斐市
・安藤忠雄氏設計のJR竜王駅が完成 – 日経BP
・信玄堤 – 甲斐市