【機材】中国発の最新機器、撮影するだけで空間の3Dモデリングができる『4DKanKan Pro(四维看看Pro)』を使いこなす (1)
中国のベンチャーが今年発売した超最新機器のご紹介。『四维看看Pro(4DKanKan Pro)』です。読み方はたぶん「ふぉーでぃーかんかんぷろ」だと思います。知人経由で貸してもらいました。
部屋などの空間を3Dスキャンできるカメラで撮影するだけで3Dバーチャル空間が立ち上がってウォークスルーなどができる面白い機材。今この手の機材で一番強いのはMatterport(マーターポート)かと思いますが今後ライバルになる可能性が期待できます。解像度も12Kとかなり高く、1地点あたりの撮影時間は約5秒と早い。
2019年末時点ではAlibaba(アリババ)でしか買えないようで、あのAmazonでも取り扱いしていませんでした。
価格は$1,499.00(約15万円)と結構お高い。
4DKanKan Pro – Alibaba.com
https://4dage.en.alibaba.com/de_DE/
サービス概要
前述のとおりこの機材でできることは「写真撮影した空間を3D図形に変換する」ことです。
実はこの機械だけでは全プロセスが完結しない点がミソです。3D図形に変換するのはクラウド上のバッチ処理が行います。
ユーザーは撮影した画像をクラウドにアップロードして、変換が終わると3D図形を閲覧できます。
スマホから4DKanKanに接続し、4DKanKanからWi-Fiに接続するという、おもしろい接続経路。
システム概要をまとめると以下のような関係性になっています。中国は相変わらずクラウド使いこなしまくってるなあ。と感心。
開封
さて開封すると、以下のものが入っています。
本体
USB Type-Cケーブル
ACアダプタ
レンズクリーナー
見た目は四方に4つずつ、上下部にレンズ計8つが装備されています。
大きさはコアラのマーチを縦に1.5こ並べたくらいです。
重さはミラーレス一眼に小振りな単焦点レンズをつけたくらいなので、個人的には慣れ親しんだ重みでしょうか。
端子はUSB Type-Cのみ。
充電もType-Cで行うのですが、満タンにするのに3時間もかかったのでバッテリーもかなり大容量っぽい。
電源をONにすると、とたんにファンも全開で回転します。MacBookProがCPUを本気でぶん回しているときの音くらいでしょうか。つまり常時うるさい。
専用アプリ
撮影(シャッターを切る)はスマホからのみ可能。AndroidとiOS両方に対応した専用アプリがあります。
下载 – 四维看看
https://www.4dkankan.com/#/service/app/pro
公式サイトから[下载](ダウンロード)を選択すると、OSごとにQRコードが用意されているので各デバイスからスキャンしてサイトに移動してください。
両OSともにダウンロードを試したところ、iOSは無事インストールできましたが、Androidが私のスマホだとなぜかダウンロードできませんでした。サイトにアクセスしても[下载]ボタンがでない。エラー内容の表示を見る限りでは「あなたの通信環境?規格?では通過できない。」とのこと。一応ブラウザを変えてみてみましたが、ChromeでもFirefoxでもだめでした。よってAndroid版は諦めました。
2020年2月10日追記:
「WiFiはIEEE802.11a/acだけ利用可能」という意味だそうです。
Android版 | iOS版 |
アプリの使い方
起動すると[LOCAL]、[CLOUD]、[ME]の3つのメニューが出ます。[ME]はマイプロフィールです。
スマホと本体の接続
まずはスマホと4DKanKanを接続します。
[Me]→[Camera Connection]をタップ。iOSの普通のWi-Fiの接続画面に移動しますので、「4DKKPRO_***」というSSIDを見つけてタップ。パスワードを入力すれば接続できます。
本体とWi-Fiの接続
次に本体とWi-Fiを接続します。
[Me]→[Camera Network]をタップ。こちらはいつも使用しているWi-Fiを選択して接続してください。
接続できるとクラウドマークも緑色になります。これでネットワーク環境が万事整いました。
撮影設定
やっと撮影。と言ってもここまでの準備で1、2分です。簡単。
新規プロジェクトを作りましょう。
トップ画面の[+]ボタンをタップします。
撮影の基本は[Auto Mode]オートでもよいかと思いますが、やはり室内だとノイズが気になりますので[Manual-Mode]マニュアル設定でISOを100に維持しシャッタースピードで明るさを調整したほうがベターです。全3項目がいじれます。
変更方法は、撮影モード中に画面右下のアイコンをタップします。
オート/マニュアル撮影の設定や、[TIMER(タイマー撮影)]ができます。
ちなみに一番左の[Left&Right Capture]は視差ありのステレオ撮影モードです。ただしこのモードでは3Dスキャンは不可ですのでご注意を。
・ホワイトバランス
・シャッタースピード
・ISO
設置間隔
マニュアルは英語版があります。それによると、
・高さは視点高さくらい。目安は1.5mくらい。
・撮影地点は1m間隔くらいを目安に。精度をあげたい場合はもっと細かい間隔で、とのこと。
・撮影順序(ルート)にコツがちょっと必要。
撮影
あとはシャッターを切りまくるだけです。撮影→地点の追加→撮影→地点の追加→・・・を繰り返すだけです。
撮影すると画面になにやら図形っぽいのが出てきますが、ぶっちゃけなんのこっちゃわからない絵です。上手く撮れているのか。
ちなみに①②③・・・という数字アイコンを押すと、1枚毎に普通のパノラマ画像として閲覧もできます。それでチェックするしかない。
1枚の撮影にかかる時間は約5秒。Matterportだと30秒くらいかかるかと思います。この点はかなりナイスで、ストレスなく作業できます。
完了
撮り終わったら右上の[Save]ボタンを押します。
[Project name(プロジェクト名])と[Description(概要])を記入しましょう。あと必要であれば[Select a category]でカテゴリ分けもできます。
もう1回[Save]ボタンを押せば作業完了。
クラウドへアップロード
撮影データをアップロードしてみましょう。
[LOCAL]画面に保存したプロジェクトが表示されますが、右上に[↑]ボタンがあります。これを押すとアップロードできます。
ちなみにスマートフォン-4DKanKan Pro-Wi-Fiの3つが接続されていることが必須です。スマートフォン-Wi-Fiでは出来ません。あくまでも画像データは4DKanKan Pro本体の中にあるためです。
画像のプライバシー
ちなみに写真のプライバシー保護の面で不安があるかと思いますですが、アップロード時にパスワードを設定できるので一応大丈夫。
楽しみ。なお1時間経ちますが変換処理は終わっていません。
今日はここまで。
3Dデータに色々とギミックを仕込めるようなので、次回はそれらを設定してみようと思います。
参考サイト
・四维看看Pro(公式)
・4DKanKan Pro – Alibaba.com
・Matterport(マーターポート)日本正規代理店 – リビングCG