【話題】透明なベニヤ板(Transparent Wood)が登場
記事のタイトルを見て何を言っているのかと思ったのですが、本当に透明でした。
スウェーデン王立工科大学が透明なベニヤ板transparent wood(TW)を開発したとのことで驚きました。
透過率85%のヘイズ値71%で、見た目はしゃれおつ会議室にあるちょっと曇ったガラスのパーティションみたいなイメージ。顔をガラスにくっつけると中が見える…的な。
Photo by KTH Royal Institute of Technology
木の中にあるリグニンという物質を除去することで白色になり、細胞壁を繰り抜いてポリマーを含浸するらしい。なんかこの時点でナチュラルなモノではなくなっている気がしなくもないですが。
みかんの白皮の中にある果実を抜き取って、代わりに石油製品ポリマーぶっこんで「ほら透明なみかんができたよ!」と言っているのとそんな変わらない気がするけど、いやそんな簡単じゃないのでしょう。
“When the lignin is removed, the wood becomes beautifully white. But because wood isn’t not naturally transparent, we achieve that effect with some nanoscale tailoring,”
研究チームによると、建物というのはエネルギー消費量の30~40%を占める(人間の活動による)とのことで、照明エネルギーなどの使用量を削減できればエコの面からも有用だとのことです。
さらに透過率を上げるための研究は続く。
実は日本ではすでに京都大学が透明な紙を開発(木材パルプから作る)していて、映像を映し出し事にも成功しているんですね。
参考サイト
・Wooden windows? New material could replace glass in solar cells and buildings – KTH Royal Institute of Technology
・「透明なベニヤ板」が誕生、窓にもソーラーパネルにもなる – wired
・<論文紹介> 木材パルプから作った「透明の紙」|京都大・矢野教授らが開発に成功、フレキシブルエレクトロニクスへの利用に期待 – Wiley-JAPAN
・透明・低熱膨張のフレキシブルシート材料を極めて安価に製造 – 京都大学生存圏研究所教授 矢野浩之