【建築探訪】セトレマリーナびわ湖/芦澤竜一建築設計事務所
近年、琵琶湖沿いは建築ラッシュです。ヤンマーミュージアム、ラ・コリーナ近江八幡、佐川美術館、たいさんじ風花の丘、そして今回紹介するセトレマリーナびわ湖です。さらに今後は滋賀県立近代美術館リニューアルも控えています。
2013年に完成した、琵琶湖沿いに芝生に覆われたようなコンクリートの建物が一際気になります。
安藤建築っぽさがある? いや安藤事務所出身ですので
ふわっとした感想ですがコンクリートで、自然との調合の仕方というか、どことなく安藤忠雄氏っぽい雰囲気が感じられるのですが、それもそのはず芦澤氏は安藤忠雄建築研究所出身の建築士です。なるほど。
コンセプトを見ても琵琶湖から失われつつある自然生態の移行帯の再生に重きを置かれていて、
琵琶湖からの風が建物を十分に吹き抜けるような造りになっています。外観の庇部分のジグザグはただ単にランダムさを表現しているわけではなくて、きちんと日の当たりを考慮されていて、かつ部屋毎に変化を与えている狙いが有ります。
ラウンジひとつとっても例えば国際芸術センター青森の図書室を思い出します。
内外の壁にも相当こだわりを感じます。内側はきれいなコンクリートですが、屋外はものすごくザラザラしています。このザラザラ壁は「ドイツ壁」という施工方法とのことで、大正時代の近代建築でよく用いられたそうです。コテ板に土とモルタルを混合したものを載せて壁に飛ばしつけて、粒度を極力粗くし、泥山のような表情としているとのこと。そうか、だから地面の土と外壁とが連続して見えるのですね。
宿泊すれば屋上から景色を眺めながら一杯かわすこともできます。
東側にはチャペルもあり、こちらは木造。インパクト大の設計です。
ご家族で行ったりするのであれば、すぐ近くにびわこスカイアドベンチャー、佐川美術館、ピエリ守山、そして琵琶湖がありますからこの近辺で一日を楽しく過ごせること間違いなしだと思います。
South side wall are all mosaic window. Mixed transparent and semitransparent are interesting.
ギャラリー
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建物概要
Setre Marina Biwako (セトレ マリーナびわ湖).
Architect : Ryuichi Ashizawa Architect & associates (設計:芦澤竜一建築設計事務所).
Contractor : Toda Corporation (施工:戸田建設).
Completed : 2013 (竣工:2013年).
Structured : Reinforced Concrete (構造:鉄筋コンクリート造).
Costs : $ million (総工費:約億円).
Use : Hotel (用途:宿泊施設).
Height : 49 ft (高さ:15.13m).
Floor : 3 (階数:地上3階).
Floor area : 22,604 sq.ft. (延床面積:2,213.48㎡).
Building area : 14,518 sq.ft. (建築面積:1,348.84㎡).
Site area : 387,500 sq.ft. (敷地面積:30,561.64㎡).
Owner : Seirei Kosan (建主:セイレイ興産).
Location : 1380-1 Mizuhocho, Moriyama City, Shiga, Japan (所在地:日本国滋賀県守山市水保町1380-1).
使用機材
Nikon D600
Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
Adobe Photoshop
Adobe Photoshop Lightroom
参考サイト
・2013年9月1日 セトレ3号店「セトレマリーナびわ湖」が開業致します。 – HOLONIC
・artscapeレビュー 芦澤竜一《セトレ マリーナびわ湖》 – artscape
琵琶湖のエコトーンホテル –
芦澤竜一建築設計事務所
・新建築2014年1月号
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