【UE5】動的グローバルイルミネーションと反射「Lumen」の適用とか比較とか (2)
さてさて前回の続きです。出来ていなかったGI関連の見え方の違いを比較していきましょう。
今回はエミッシブによるダイナミックライトのGIの違いを見ていきましょう。自動露光ONのとき、マニュアルのときとか、マネキンさんなどの動物がいる場合などで検証しています。
ちなみにエミッシブライトとLumenの検証や考察は、ヒストリアさんのこの記事が非常に参考になります。
[UE5] ライティングの幅が広がる!”Lumen”で可能になった表現を比較画像付きで紹介 – ヒストリア
1.自動露光ON
まずはサクッと比較してみました。
プロジェクト設定(Project Settings)でLumenを有効にしてから、ポストプロセスボリューム(Post Process Volume)のグローバルイルミネーション(Global Illumination)と反射(Reflection)の項目を変更して比較してみます。
①従来の設定:上
Global Illumination = None.
Reflection = Screen Space.
②Lumenの設定:下
Global Illumination = Lumen.
Reflection = Lumen.
③他の設定
Directional Light:
Intensity: 10 [lx]
Dynamicで、Z軸を1[秒間]に6[Degree]回転。
Sky Light:
Dynamicで、DaytimeのHDRIを指定。
Post Process Volume
ExposureをEnable。自動露光
こちらが結果です。
全然見た目が変わります。なんならLumenにするだけでめっちゃクオリティが上がっています。
●GI
・エミッシブの光に対してもGIが効いているのは大きい。明らかに見た目に違いがでる。
・なおエミッシブの強さと影響を与える距離に関連性が見られましたので、影響を与える距離という意識が必要になると理解できます。(今までエミッシブ値って「ブルームの輝き度合いのために値を調整していた」みたいなところがありましたけど。)
・エミッシブのブルームは、emissive > 1.0のときで自動露光ONだと、表現がほぼ不変のようです。emissive=10と100で同等だった。ただし100のときは天井まで色が変わりました。
・動画にはありませんがPoint LightやSpot Lightも同じ表現がなされています。
●反射
・階段から転げ落ちている球の反射が描かれなくなったりと正確な表現をしてくれています。
・同じラフネス値でも表現がかなり変わります。ツルツル・ギラギラしにくい印象です。
自動露光ONのときは結果的にあまり違いを感じなかったので、Lumenに変えたからと言っても自動露光ONの状況下では再調整は概ね不要であるという結果は得られて、それはそれで意識しなくていいという意味ですごい優秀だと思います。
2.自動露光OFF。マニュアル露光
ところでGIによって周囲に影響を与えたため、レンダリングの最終結果は壁などの色が大幅に変化してしまっています。輝度もある程度変化してきているはずですから、自動露光は止めて、固定したカメラ設定で比較が必要ではないかと考えました。
設定
①従来の設定:上
Global Illumination = None.
Reflection = Screen Space.
②Lumenの設定:下
Global Illumination = Lumen.
Reflection = Lumen.
③他の設定
Directional Light:
Intensity: 10 [lx]
Dynamicで、Z軸を1[秒間]に6[Degree]回転。
Sky Light:
Dynamicで、DaytimeのHDRIを指定。
Post Process Volume
Exposure = Manual
CameraのISO = 51200 (Lumen), 6400 (Screen Space)
こちらが結果です
●GI
手動の露光設定だと、
・Lumenは従来に比べて暗くなります、特に屋内では顕著のようです。(ただし具体的なデータは取っていません。)
・光源に関する設定値は見直しが必要だと思われます。Directional Lightなども
・自動露光ONのときと同様で、エミッシブの値は影響を与える範囲であることを意識すると言えます。つまり輝いていればいいのであれば、状況によってはEmissive=2とかの方が望んだ結果が得られることがあると言えるはず。
参考サイト
・Lumen のグローバル イルミネーションおよび反射機能の概要 – Unreal Engine 5 Documentation
・[UE5] ライティングの幅が広がる!”Lumen”で可能になった表現を比較画像付きで紹介 – ヒストリア
アンリアルエンジン5早期アクセス版。Unreal Engine 5 Early Access.