【UE5】LUMENを採用した超リアルな建築化照明のリアルタイムシミュレーション

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UE4でやった建築化照明の続きです。UE5アーリーアクセス版が出た直後くらいにこんな実験動画をアップしていましたが質問をちょこちょこいただくので、もうちょっと深堀りしたいと思います。

当時紹介した実験というのは、Lumenを住宅の建築化照明とか商業施設にあるような光源が視線から隠れた照明のリアルタイムシミュレーターとして相当優秀なのではないか。という指摘です。
品質面はもう言うまでもなく素晴らしいのですが、Lumenを使うとこの品質で解析時間がゼロっていうのがお仕事でやっている人からすると圧倒的に嬉しい点です。
実験動画では、固定カメラ、照明の強さなどのシーンは固定してライティングシステムを変更してデモしただけでしたので、自由に動いたり変更したりして遊んでみましょう。

動画版

●タイムライン Timeline
0:00 開始
1:51 前回のデモのおさらい
5:08 天井の建築化照明(コーブライト)
10:25 Rect Light。実際に販売されている照明器具を再現する。セットアップ
11:05 Rect Light。実際に販売されている照明器具を再現する。配置してシミュレーションする
11:19 プロジェクト設定。ライトの単位をルーメンに変更
12:52 Camera設定。実際のカメラと同じ設定にする。
14:26 おわりに

●お詫び
10:25 にて「実際に販売されている建築化照明器具をRect Lightで再現しよう」にて「三菱照明の…」と紹介していますが、正しくは「パナソニックさんのC-Slim Sシリーズ」です。大変失礼いたしました。
C-Slim Sシリーズ – Panasonic

やってみよう

デモのおさらいをしてみましょう。

前回のデモのおさらい

Roughnessが異なる3枚のフローリングを用意して、反射光の硬さなんかが現実に近い質感になってくれていいじゃん。って話まではしました。
ちなみにUE4だと反射の描画にしか色が反映されていませんでした。これだとシミュレーションにはならないんですよね。光が回らないと。
Lumenは強力にGIが反映されてくれるので現実的かは別として非常に直感的。あえて悪く言えばやりすぎ感はありますけど。
でも、よくわかんないよりははっきりしてて良いんですよ。つまり一次判断が早くなります。
Lumenだと無駄な深入りや微調整に走らなくなるので結果的に決断までのプロセスが以前よりも短時間で済んでいます。

天井の建築化照明

次に天井の建築化照明を見てみましょう。
まあ床と同じような結果が得られるのですが、というかLumenって距離に応じてぼかし具合も変わってくれるんですね。
UE4でも距離に応じてボケてくれていました。でもなんか表現はだいぶ違いますね。いかにもすごいエフェクトかましてる絵作りって気がします。
さてLumen建築化照明の天井です。ちょっとRect Lightに変えましょうか。概ね期待した動作しますね。

Rect Light。実際に販売されている照明器具を再現する。セットアップ

ここからはちょっと真面目にやってみましょう。実際の製品をUE5内で再現してシミュレートしてみます。
パナソニックさんのC-Slim S15 L1501という製品でトライ。

仕様を見ると光源は幅1.4cm、長さ150cmとのことで、光束は2275ルーメンです。このまんまUE5で作ってみよう。

プロジェクト設定。ライトの単位をルーメンに変更

まずは強さの単位がカンデラなので、ルーメンに直そう。
プロジェクト設定のEngine→Renderingのライト単位をルーメンに変更します。

Intensityを2275に変更。
ライトを配置後にライト単位を変更したときは、ライトの置き直しが必要です。
SourceWidthを150に変更。
BarnDoorAngleは90にしちゃおう。実物は反ってましたけど。
SourceHeightを1.4にして、BarnDoorLengthはほぼゼロにしてみる。

これで照明器具が再現できた!とします。

Rect Light。実際に販売されている照明器具を再現する。配置してシミュレーションする

さて、この部屋にはC Slim S15を3本置く必要がありそうなので50cm間隔で置いてみます。ちなみに予算も見積もれるってことですね。1本34800円なので3本で104400円だと。

Camera設定。実際のカメラと同じ設定にする。

で、これだとちゃんと照明のシミュレートができていません。ホワイトバランスを合わせるのと、カメラの明るさを自分で決めます。
一眼レフとかでマニュアルモードで撮影することを想像してください。

まずはPostProcessVolumeのExposureのModeをManualにします。

次にCameraに対して実際に撮影するときのパラメータに変えます。
経験則ですが、三脚使用不可の環境のとき私はだいたい、
 ・シャッタースピード:1/30秒
 ・F値:10か11、
 ・ISO:800~1600
にしていますので、それ通りに設定してみる。

うん、現実の撮影の記憶と、画面上の明るさがほぼ同じになりました。
つまり照明のリアルタイムシミュレーターとしてUE5 Lumenは有用であると言えます。(個人の見解です)

おわりに

いかがでしたか。参考になった部分があれば幸いです。
それではより良いUE5ライティングを楽しみましょう。
この動画のプロジェクトは無料公開していますのでよければ持っていってください。

ダウンロード

今回使用したプロジェクトは公開していますのでよろしければどうぞ。

【ダウンロード】LUMEN建築化照明の実験プロジェクト【UE5EA】

参考サイト

屋内用 建築化照明器具(ライン照明)シームレス建築化照明器具「C-Slim S」 – パナソニック

【ダウンロード】LUMEN建築化照明の実験プロジェクト【UE5EA】

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